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海外留学体験談【長期留学】

印刷用ページを表示する 2023年3月29日更新

東フィンランド大学(フィンランド)

 
参加学生氏名 高橋 直樹さん
所属 地域創生学科 地域文化コース
留学年次 3年次
期間 bbin视讯平台_bbin游戏官网¥注册下载4年9月1日~bbin视讯平台_bbin游戏官网¥注册下载5年5月31日

1. 学習内容について(現在履修している授業の内容,現時点の習熟度,今後の目標等)

 2023年3月現在,私は以下の5つの授業を受講している。
  Cultural Heritage and Craft Education
  Theory and Practice of Teaching Foreign Languages to Young Learners
  Exploring Education in Finland from Theoretical and Practical Perspectives
  European Language Portfolio
  Research in Early Language Education

 まず,Cultural Heritage and Craft Educationでは,ヨエンスーが位置する北カレリア地方の文化や,フィンランドの文化を中心に,文化の保全や工芸などにおける文化性,工作?工芸の教育?社会的意義について学んでいる。これまでの授業では,授業で紹介されたフィンランドの文化や工作技術に基づいて,実際に編み物や裁縫を行うタスクや,博物館や地域の学校を訪れるタスクがあり,それらを通して異文化理解を深めるだけではなく,フィンランドの教育や文化を知ることができた。この1か月は,最後のタスクであったグループワークや,授業の感想や学んだことを記すエッセイに取り組み,無事に授業を終えることができた。グループワークでは,各々が自身の文化ないし自分自身を象徴するようなやイメージを持ち寄り,1つのデザインとしてまとめ,そのデザインに基づいて各々がA4サイズ程度の生地に刺繡や裁縫を行った。私は辰年生まれなので,干支の説明も加えながら,龍を自身の文化的な象徴として紹介した。グループでは,スリランカ出身のメンバーが自国の国旗に描かれている剣を持ったライオンを,スペイン出身のメンバーは闘牛でも知られている雄牛を,日本出身のメンバーは,夏の代名詞として浴衣や扇子などに描かれることが多い金魚を自らの文化的な象徴として紹介した。その後は,それぞれのデザインに各自が自身のデザインを加えながらグループのデザインを模索し,最終的には,ベースの龍にそれぞれの生き物のパーツが付け加えられたデザインにまとまめあげることができた。タスクを通して,他国の国旗や文化を知ることができたのは非常に貴重な経験となった。

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 Theory and Practice of Teaching Foreign Languages to Young Learnersでは,児童の外国語教育に関して研究的な知識を学ぶとともに,授業計画の立案などを通して実践的な能力も高めている。この1か月は,早期言語教育の実践例についてグループで考えを深め,立案したアクティビティに関して,裏付けとなる論文や理論とともにレポートにまとめ,プレゼンテーションを行った。自分のグループでは,ゲームアクティビティを取り上げ,ゲームアクティビティがもたらす効果や影響について論文を用いながら説明し,それらを踏まえた上でオンラインボードゲームを授業内におけるゲームアクティビティの一例として立案した。レポートの中では,ゲームアクティビティの効果や影響のみに着目せず,フィンランドの教育で実践されている科目横断的な教育であるPhenomenon Based Learning (1つの事象や問題に着目した学習形式)にも着目し,立案したアクティビティがPhenomenon Based Learningにも活用できることを盛り込んだ。授業内では,講義のみならず,他のグループの発表からも様々な考えや実践例について知ることができた。授業の参加者の中には教員として働いている人もいるので,実際の経験や実践例を知ることができたのはとても興味深いものであり,貴重な経験であった。

 European Language Portfolio (ELP)では,ELPの基礎的な知識や実際の使用例を学ぶだけではなく,様々な課題を通して,ELPを実践するための技術や考えを深めている。ELPとはヨーロッパ諸国で共通使用されている言語教育政策である。ELPは自身の言語能力を記すLanguage Passport,自身の異文化経験や言語学習の状況を記すLanguage Biography,エッセイや作品,課題等を学習記録として保存するDossierの3つから構成されており,言語能力はCEFR (Common European Framework of Reference for Languages)に基づいて評価される。CEFRはA2~C1までのスケールを用いながら,学習者のリスニングやライティングなどの各言語能力を評価するものである。日本では欧州と比較してなじみのないものであるが,TOEICやTOEFL,英検などの外部試験を受験したことがある人は耳にしたことがある指標だと思われる。この1か月は,ELPを実際に実施するというグループ課題に取り組み,自分のグループでは,日本語に翻訳したLanguage Passportや Language Biographyを中学生や高校生を対象に実施し,その上でインタビューを行った。プレゼンテーションでは,インタビューやフィードバックを通して得られた発見や課題に基づいて,日本の言語教育に求められる要素や,言語学習者のニーズについて発表した。自身のグループのタスクに限らず,他のグループの実践例からも,ELPないし言語教育に対する理解を深めることができた。ELPは日本国内において実践例が少なく,自身も経験したことがないものであったため,本授業は非常に有意義なものであった。本授業で得た知識やスキルは,来年に予定している教育実習で活用したいと考えている。

 Exploring Education in Finland from Theoretical and Practical Perspectivesでは,地域の学校に訪問することを通して,フィンランドの教育について理解を深めことが目的とされており,この1か月は,訪問スケジュールをグループで決め,訪問する学校にアポイントメントを取ることを行った。来月に訪れる予定で,フィンランドの教育を直接知ることのできる貴重な機会を非常に楽しみにしている。

 Research in Early Language Educationでは,早期言語教育に関する家庭と学校の協力について調査を行っており,実際に保護者等にインタビューを行い,収集したデータに基づいて考察を行っている。この1か月はインタビューで得られたデータの分析を行った。現在は,分析で用いるソフトウェアに少し苦戦しながらも,分析を進めている状況であり,今後は個人で分析したデータに基づいてディスカッションを行う予定である。様々な国や地域における早期言語教育の状況や,家庭と学校の関係について知る貴重な機会なので,この授業を通して教育に限らず,文化や様式など,様々なことを吸収したいと考えている。

2. 生活面について(異文化理解や自身の学びにつながったこと等)

 寒暖差が激しかった2月とは様変わりし,太陽が出る日がかなり増え,日中の気温は-2℃~1℃と温かくなり,過ごしやすい日々が続いている。とはいえ,降雪は続いており,2?3時間程度で3~5cm程,雪が積もることもある。先日も急に霰が降り,辺り一面が真っ白になったこともあった。それだけではなく,気温が上昇したことで路面の雪や氷が少しずつ融け始めており,留学して以来一番ひどい路面状況となっている。雪や氷がシャーベット状のように融けているのは然程気にならないのだが,凍った路面の表面だけが融け,スケートリンクのようになっていることがあり,まともに歩くのが難しい時もある。実際,路面状況が悪化した影響で一部のバス路線が運休になったこともあった。

 苦労を感じるのは気候だけの話ではなく,気候と同じぐらい苦労したのがストライキであった。3月に入ると,公共交通機関のストライキがフィンランド全域で開始し,私が住んでいるヨエンスーも例外ではなかった。私はバスを利用して通学しているのだが,ストライキ期間中は便数が8割ほど減少し,平日に利用する際は常に車内が満員であった。休日に関しては住んでいるアパートから街に出るバスはすべてストップしており,行動が制限された。満員のバスは日本を思い出すようで少し悪くないとも感じたが,満員のバスに慣れてない人達と床が濡れたバスに乗るのは苦労するものである。フィンランドに来てからというものの,既に半年が経過しようとしており,ここでの生活にかなり順応しきっていたので,このように生活の中で苦労を感じるのは久々の感覚であった。実際に生活する中で,インターネットや短期間の旅行などでは決して味わうことのできない貴重な感覚や経験を得ると,留学に来て良かったと心の底から実感する。

 完全に余談になってしまうが,今回の留学報告書はホームページに掲載されると聞いているので,少しカジュアルな話題についてもシェアしたいと思う。私事だが,ここ最近Fazerというメーカーにドはまりしている。Fazerはスーパーに行けば必ず目にするような,フィンランドを代表するお菓子メーカーであり,チョコレートスナックやケーキ,飲料などを展開している。ちなみに,Fazerはファッツェルと読むのだが,知らない人がフェイザーと読むのはあるあるらしい。この文章を読んでいる人もフェイザーと読んでしまったのではないだろうか。どの商品も勿論美味しいのだが,中でもリピートしているのがDOMINOというチョコレートサンドクッキーである。見た目は,青いパッケージの某サンドクッキーと何ら変わりないのだが,甘さがくどすぎず,食べ始めたら手が止まらなくなる中毒性がある。この留学報告書を書いている時にもDOMINOを食べていたのはここだけの話。

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