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10月5日〜7日に高知県高知市の高知共済会館で開催された第33回 マルチメディア通信と分散処理ワークショップ(DPSWS2025)†(情報処理学会DPS研究会主催)において,本学情報分野(R8から情報学科)の研究室から,フルペーパーによる査読を通過した2件の論文の研究成果について口頭発表を行いました。
DPSWS2025は今年で33回目を迎える非常に歴史のあるワークショップです。これまでの開催においても,最新の研究成果が多く発表されるなど,情報処理学会の中でも特に優れた研究成果の発表の場として活用されています。
この度,本学情報分野の研究室からは,まず,学士?修士5年一貫教育プログラムに在籍する津島裕佳さんは,再生可能エネルギーの一つである太陽光発電の普及によって顕在化した実質電力需要の昼夜間の急変動であるダックカーブを解消する手法について研究した成果に関する発表を行いました。
また,続いて,昨年末に学士?修士5年一貫教育プログラムを修了し,引き続き,本学の博士後期課程に進学し,研究者としての道を進んでいる畑本真優さんは,EVのために確保した電力を災害時の非常用電源に活用することを目的として,モバイル分散電源としてみなしたEVの蓄電量の制御アルゴリズムを開発しその性能評価結果の発表を行いました。
上記2件のいずれの研究発表も,最新型EVとして近年実証実験が世界的に進められているバッテリー交換型EV(以下,BSEV)を取り上げ,BSEVの予備バッテリーをその特性を活かしながら有効活用する手法です。
※○は当日の発表者
今回,これらの論文に対し,事前の複数の専門家から提出された査読結果や,当日の口頭発表と質疑応答の結果を踏まえ,津島さんは最優秀論文賞と優秀プレゼンテーション賞を,畑本さんは優秀プレゼンテーション賞をそれぞれ受賞しました。
この2件の研究発表は,重要な社会的課題を取り扱った研究テーマでありその研究内容が評価されたことはとてもありがたいことです。
また,DPSWS2025は企業の研究所に所属し,第一線で活躍する研究者も多く発表するなど,今年もレベルの高い研究発表が多くあった中で,最優秀論文として選定されたことは,非常に名誉なことです。2名の大学院生には,今回の受賞を励みにして,ぜひ,さらに優れた成果を出すべく,今後もしっかりと励んでほしいと思います。
†:33回 マルチメディア通信と分散処理ワークショップ(DPSWS2025) ,https://dpsws.org/