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【生命環境学科生命科学コース】卒業生の声-妖怪アプリと機械設計(2021年卒 鍛治原さん)

妖怪アプリと機械設計(2021年卒 鍛治原さん - ㍿濱田製作所勤務)

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生命科学コースでは遺伝子の働き方など、主にミクロの生物学を学びます。しかし卒業時の進路は、生物関係にとどまらず、非常にフレキシブルです。もちろん製薬業界や食品業界へ進む人が多いのは変わらない傾向ですが、中には在学中に釣りにハマって釣具関係の業種に就いたり、毎日自動車で通学しているうちに車に興味がわいて自動車業界に就職したりするツワモノまでいます。卒業生が、先入観にとらわれず、それぞれの興味に従って多様な職種に就いているのも特徴といえるでしょう。

今回の卒業生インタビューでは、菅研究室の鍛治原(小林)尚斗さんを紹介します。彼の大学生活は、入り口も出口も個性的です。

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鍛治原さんは横浜のご出身ですが、県立広島大学の庄原キャンパスへの進学を決めた理由は?

これを言うと怒られそうですが、当時交際していた彼女が広島に住んでいたので、広島に来たかったというのが一番の理由です(笑)。もともと生物が好きだったこともあり、生命科学系の広島の大学を色々調べる中で、県立広島大学に興味を持ちました。

オープンキャンパスにも参加しました。甲村研の圃場見学、山下研の卵子の観察や取り扱い、八木研でのクラミドモナスの観察などを体験しました。生命科学科(現在は生命科学コース)の具体的な研究内容に触れ、自分もそのような研究がやりたいと思い、第一志望で推薦入試(学校推薦型選抜)を受験しました

 

学生の時の思い出は何ですか。またどのような学生でしたか?

一番の思い出は部活動です。エスキーテニス部とウィンドオーケストラ(吹奏楽)に所属しました。

中でもエスキーテニス部では3年生の時にキャプテンをつとめ、チームも好成績を上げることができました。最終的には予選を勝ち抜き、香川県で行われた全国大会にも出場しました。

エスキーテニスは広島発祥のスポーツです。大学から始める人が多く、大会や合同合宿など他大学や社会人との交流が多いことも特徴です。練習の成果が出やすいので、部員のモチベーションも高く、仲間たちと充実した学生生活を送ることができたと思います。

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中央が鍛治原さんです

 

どんな学生だったか、ですか…。あまり胸を張っては言えませんけど、バイトを掛け持ちして一限に遅れるような(でも何とかしてギリギリ滑り込むような)学生だった、といえば伝わるでしょうか。スキーが大好きで雪が降ると平日でも講義を放り出してスキーへ行っていました。車で1時間かからないくらいのところにスキー場があるのでウィンタースポーツ好きな人にはいい立地だと思います。

研究室に入ると、先生がやはりスキー好きでしたので、よく一緒に行きました。2人だけで行ってほとんど休憩なしに一日中滑りまくったことや、その後近くの温泉にまで付き合わされたことすらあります(笑)。

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右から二人目が鍛治原さん

 

研究室はどのように選びましたか?

いくつか候補がありました。特に八木研究室の鞭毛の研究や、菅研究室の多細胞性の進化の研究にも興味を持ちました。しかし、決め手となったのはフィールド科学卒論(現在は「地域課題解決研究」— 学部や学科の垣根を越えて、地域が抱える問題を解決することを主目的とした卒業研究)の募集でした。本来なら分子生物学や生物進化学が専門のはずの菅先生が、「隣町の三次の妖怪伝説をモチーフにしたスマホゲームのアプリ開発を行い、町おこしに貢献したい。パソコン操作等が得意な人は声をかけてほしい」とアナウンスされていたのです。

私にはプログラミングの経験はありませんでしたが、実は物心がついた時からパソコンには触れていて、趣味の動画編集などを通じ、コンピュータやプログラムがどのように動くのかといった感覚には少し自信がありました。生命科学科には、生物のDNA配列を情報としてとらえ、それをコンピュータで解析する「バイオインフォマティクス」という講義があるのですが(注:残念なことに現在はありません)、周囲が苦戦するなか、自分はかなり余裕をもって課題をこなせました。「生命科学科で妖怪?アプリ?それが卒論?」といった戸惑いもありましたが、新しい研究内容に対する興味が勝りました。これはまさに自分のための研究テーマではないか!?

3Dモデリング、地域の妖怪伝承、もののけミュージアム(2019年三次市に建設された、妖怪をテーマとした博物館)、スマホアプリ開発という面白そうな内容づくめで、わくわくした気持ちで菅先生に「ぜひこのテーマで卒業研究をやらせてください!」とお願いしに行ったのを覚えています。

菅先生と面接をした後、実際にやれそうかどうか試してみる目的で、事前課題を与えられました。パソコン上で立体のイルカやロボットを作り、それを動くようにするという内容だったのですが、いかにリアルな形に近づけるか、本当に泳いでいるかのように動かすにはどうしたら良いのかなど、課題ということを忘れるくらいのめり込みました(笑)。

 

卒業研究はどのように進めたのか、もう少し詳しく教えてください。

卒業研究では、パソコンの前でソフトウェアを操作したり、アプリがうまく動くようにプログラムを修正したりする作業が主でした。それが少し形になってくると、三次市の市役所や、博物館に出向き、職員の方々と打ち合わせをします。開発中は良かれと思って取り入れたアイデアやゲームのデザインが、社会実験に持っていくとうまく行かないこともありました。そのあた